think outside the box


9th Album

M01 月食
M02 ズル休み (Album Version)
M03 時間
M04 RainSong
M05 アリカ
M06 2023
M07 世界本店
M08 SAME-OLD SAME-OLD
M09 DaLaLaLa-Ta-Ta-Ta
M10 サビイロ

2019.2.20 TEICHIKU ENTERTAINMENT 商品番号:TECH-30532 2,778(+税)
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現在地点に立ちながら、未来へ過去へ、空中へ海中へ、知らない都市へいつもの場所へと幽体離脱でテレポーテーション。壮大なのに身近、空想的なのにどこまでもリアルな、聴くだけで脳にフルカラーの映像が飛び交う、極上の瞬間移動エンターテイメント作品が、本作。
これぞ杉本恭一の真骨頂、そしてある意味新境地とも言える、聴く漫画で聴く映画状態のポップでサイケでラウドで楽しいユーモアに溢れた芸術をどうぞ御堪能ください!(中込智子)
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杉本恭一/ 中込智子「think outside the box リリース記念 トークライブ(2019 2/24(日) 下北沢440)」より

ーーそれでは本日はよろしくお願いします。
「その前に中込さん、前作STEREO8のホームページ用のインタビューの原稿は一体いつ上がるんですか!」
ーー(苦笑)
「あの時のインタビューは我が社で二軒ほど居酒屋などでおもてなしをさせて頂きましたけど」
ーー(苦笑)すいません、すいません…
「ふふふふ。ふんなら今回のアルバムの話でもしようか」
ーーそ、それではニューアルバムthink outside the boxについて色々伺っていきたいと思います、よろしくお願いします。
「はい、よろしくお願いします。」



ーー『月食』はハイハット2発から始まるサイケデリックなギターロック。深夜に徘徊する杉本恭一が実際に見た風景なのでしょうか?
「いや、見たかった風景だな。」
ーー見たかった?
「そう、その日俺はアコギな夜のツアーファイナルの日だったんよ。皆既月食と夜明けが重なった日。火星も対接近してきていた、さらに台風までも来ていやがった。歌にならなきゃしょうがないだろっていうくらいの事が起こっていた日。」
ーーこれはじゃぁ想像の範囲?
「うん、そうやね。」
ーーなんか美しくも不気味な特異な光景の感じがすごい綺麗に描かれてるから、見たのかと思ってました。
「頭ん中ではね。(笑)」
ーーこの曲を聴いて思ったのが、アルバム通して聴いても思ったんだけど、ウルトラセブンのメトンロン星人の場面を思い出しましてですね。
「??メトロン星人の話を覚えとらんよ。(笑)」
ーーわかんないよね。失礼しました。(笑) 全体的にSFっぽいっすよね、今作は。
「あ~、うん、うん、 うん。」
ーー夏の大三角も歌の中に出てきますが?
「夜だから、星が出とるやろ。」
ーー夏だからね、大三角があるということですね。なるほど、そうなんだ。想像の中でうまく作った曲って感じなんですね
「そうそうそうそう。まぁ一生懸命ニュースとかyoutubeとかでは見てたよ。」
ーーこれを1曲目に持ってきたのは?
「今回はサイケデリックな色の強いアルバムにしたかったから、そういう意味ではそのスタートとして、出て来る言葉も音も、聴いてる人に色んな景色を見てもらえる気がして。それが今回のアルバムの始まりとしては凄い良いなって思って。」
ーーなるほど、サイケデリック感も出てるし、イメージで何かを思い起こさせるような感じもあったから1曲目にしたって感じ?
「うん、うん。」



ーー2曲目、先行発売した『ズル休み』のアルバムヴァージョンですが、これは幾何学的なギターのフレーズが印象的。
「うん、うん、うん。」
ーーサイケで、ニューウェーブで、フォーキーで、オルタネイティブな名曲だと思いました。
「ありがとうございます。(笑)」
ーーいろんなロックな要素が混じっているのに杉本のキャラクターでただ単に「印象的な良い曲」って1つの言葉でまとめらる様な曲になっているのも良いなと思いました。そして、春先の良い天気の日は仕事に行きたくないなと思うものですが、その気持ちを促進させていくれる非常に危険なナンバーだと思いました。(笑)
「あはははは。」
ーー危険だと思うよね。ズル休みしたくなるじゃん。
「あははは。(笑) まぁ、ズル休みしろって言ってる歌ではないんだけどね。ただなんか、ほとんどの人が経験あると思うけど、そういう事をした時の開放感と特別感。なんかあるだろ。後ろめたいんだけど、子供の頃だったら普段見たことのない10時くらいのワイドショーとか。」
ーーうんうん、テレビね。
「大きくなってきたら、中学生や高校生になってズル休みして街とかに遊び行くと補導されそうな、ドキドキとか。」
ーーあはは。
「ね。流石に大人になってからはそんなに無いかもしれないけど、俺の様な仕事でちょくちょくあったら多変よね。」
ーー大変だよね。(笑) とか言って宝島の取材の時とかって、1時間、2時間遅刻して来るの当たり前でしたよね。(笑)
「遅刻はね。うん…。(苦笑) 」
ーー恭一現の時事放談とかね。3時間くらい時間を取っておくんだけど、それでもハミ出るって感じでしたね。
「でもね、思うけど~治るよ。頑張れば。俺35~6くらいで治ったかな。」
ーーあははは!!(爆笑) 治るとかそういうレベルの話じゃねえだろう!
「別にサボろうとか思ってた訳じゃなくて、単純に起きれんかったから。小学校も中学校も俺は皆勤賞の賞状をもらうのが夢だったんよ。だけど、必ず1回寝坊とかしてしまうともうグダグダに。みんな信じられないだろうけど、高校の時にMAGUMIは毎朝俺を迎えに来てた。MAGUMIが来てもまだ俺は起きれないわけよ。で、MAGUMIは家で飯食って来てんのに、俺ん家でもう1回飯を食うんよ。俺が起きてこないから。MAGUMIは毎日遅刻しない時間に俺ん家来てくれてるのに、俺が起きないから毎日一緒に遅刻になってた。(笑)」
ーーあはははは!!(爆笑)
「あいつが時間を守れなくなったのはもしかしたら俺のせいだ。(笑)」
ーーうわーーーーー!!
「あいつスゲ~よ。家で朝飯食って、俺ん家でまた朝飯食って、学校着いてたまに早弁してたからね。」
ーーあはははは!!(爆笑)
「だいぶズル休みからずれたね。」



ーーいや面白かったです(笑) では次いきますね。「時間」これも奇妙不可思議にして大ポップ!縦割りの8ビート。これも幾何学的な高速のリフが、もう目の前で弾いてほしいみたいな良い感じで入ります。この曲は単純に大好きで興奮しました。
「あははは。(笑)」
ーーもうSF版「港のヨーコ横浜横須賀」みたいな感じ。(笑)
「なんだそりゃ、中込らしい感想やな。(笑)」
ーー語りの部分の歌詞がまた奇妙不可思議の不気味さに拍車を掛け、ウルトラセブン、怪奇大作戦、後半の階段を駆け上がるように爆音化し、下がったと思ったらまた爆発して終わるみたいなところも『戦闘シーンか!?』と思わずツッコミを入れました。素晴らしいナンバーだと思います。
「この曲がそんなに褒められるとは思ってなかった。」
ーーうそっ!?(笑)



ーー4曲め『 RainSong 』 音数が少ないマイナーコードのどこか南国のムーディなダンス曲風から、「雨が降りだした」という歌詞でいきなり切り替わって急な土砂降り感が非常にリアルに、曲にも歌詞にも綴られております。非常に面白いナンバーだなと思います。例えるなら「ランバダ」かと思ったら「ランバダ」の雰囲気を残したままハードコア化するみたいな。
「あははははははは!(爆笑) 感想が独特やね~。」
ーー私、例えは褒められたこと無いです。マイナーコードの縦割りの爆走ナンバー、最高っすね。
「あー、うんうんうん。」
ーー泣きっ面に蜂と言いますが何があったか知らないけれど泣きっ面に土砂降りで何か悲しい出来事みたいな言葉もありますが、その出来事の内容にはふれていない。だけどこの曲は皆まで言わないのがまた良いのかもしれないなと思ったのと、最後をちょっとした希望で終わるのも良いなと思いました。これはどんな感じでできたの?
「これは正月の三が日くらいで酔っ払ってイントロのギターフレーズが出て来て、なんか良いなって思って。ポロポロ弾いてたら出来た(笑)」
ーーへえ~。
「で、大変な事に気づいたんよ…、こんな面倒なリズムのギター弾きながら歌わなきゃいけねえんだって…。」
ーーあはははは。
「で、すげぇ~口とギター合わせるの練習した。(笑)」



ーー次いきまーす。『 アリカ 』ですが、これは初期レピッシュから得意としていた「ツックタッカ、ツックタッカ」というリズム。
「シャッフルね。」
ーーその楽しい感じのビートに現代社会の歪みと言いますか、一億総クレーマー状態の魔女裁判状態にメスを入れるアカデミックな素晴らしいナンバーだと思います。なんか歌詞も色々考えさせられるし「うんうん、そうそう」とも思って、これはちょっと大分引き込まれました。
「これは俺が作った曲だからアリカがライブハウスだけど、それを聴く人にとってのアリカが図書館でも公園でも温泉でも飲み屋でも友達ん家でもなんでも良いんだけど、自分の居場所があるだけ幸せやなと。」



ーー次は『2023(ニイゼロニイサン)』、宇宙船、でこれもやっぱSFなのかなと思いきや、これちょっとタイムリーじゃない?
「そうそう。民間人が月を周ると、遂に人間が初めて月の裏側に行くって話。もうその話聞いて…行きて~って思ったよ。(笑) こんな歌作っちゃったからあいつから呼ばれんじゃないかなって。(爆笑) でも禁煙だから無理かな~とか色々考えてたよ」
ーーあははは。
「俺らの世代だと1999年7の月に世界が滅びるって何故か信じて生きていたじゃん。で、1999をテーマにした歌を世紀末にミュージシャンが凄い作ってたんよ。それがそうじゃなかったからと言ってその歌が駄目だとかどうとかっては特に思わなかったんよ。だから自分でこの歌が2023年になってどう聞こえるのかなっていうのがちょっと楽しみなんよ。
ーーわりと直ぐだよ、4年後?
「そうそうそう。あんま待てないからね。(笑)」
ーーぷぷぷ。
「だから本当に2023年に民間人が月の裏側に行けたとしたら、どんな話が聞けるのか、妄想も真実も含めて凄い楽しみなんだよ。」
ーーこの歌で白眉なのが杉本が「月の裏側」と言わずに「月の背中」という言葉を使っているのが素晴らしいと思ったのよ。普通出てこないよこんな言葉。これはもう独特な、とっても良いと思いました。なんで「背中」なんて言葉が出て来たの?
「わからん(笑)絵画的な景色のイメージかね」
ーー閃いたの?
「うん。」



ーー続きまして『世界本店 』これはそのまんまっすよね、かつてのドヤ街、泪橋、あしたのジョー!あしたのジョーの舞台にレピッシュの皆んなで行ったんだよね?
「レピッシュの初期の頃かなぁ、雑誌の取材であの頃仲良くしてもらってたカメラマンの人に何処で撮影しようかって相談されて、そしたら現ちゃんが山谷で撮りたいって。」
ーー現ちゃん山谷山谷、言ってた時期ありましたね。
「隠されてる、日本の汚いところ、裏側を撮りたいって。その時は「え~」とか思った様な気がするけど。」
ーーうん。
「行った時にカメラマンも「ここはヤバイからやめよう」って場所もあったり。」
ーー危険だよね。まだバリ山谷ヤバい時だもんね。
「でまぁ、その頃から引っ掛かってはいたし、勿論「あしたのジョー」の世界が大好きだったから。で、知ってた?ちばてつやは「あしたのジョー」の連載始める前に山谷のドヤに実際に住んで暮らしてから漫画を描き始めるんよ。」
ーーへぇ~、じゃぁリアルなんだ。
「漫画の中で泪橋の下にあった丹下拳闘クラブのあったと思われる場所は、今はたぶん運送会社のビルかなんかの所かな。で、こんな歌作っちゃったからもう1度ちゃんと山谷に行っとこうと思って。山谷の何処をうろつこうかなって色々調べてたら、たまたまクラウドファンティングで生活困窮者でも安価で見れる映画館を作るっていうのを見つけて。それに参加してもらったTシャツが今日普段着で着てたTシャツ。」
ーーあ~、あれ良いよね。
「”泪橋ホール”って名前でね。もう名前が最高じゃん。」
ーー最高。
「で、開店の日に行ってきたんよ。泪橋交差点から1分もないくらいの所で、映画館といっても喫茶店なんだけど、そこにカンカラ三線の演歌師が来てて古い歌謡曲とか歌ってるんよ、そしたら奥から店のおばあちゃん達が出てきてみんなで踊りだすんよ。なかなかええもん観れたなと。(笑)」
ーー良いの行ってきましたね、それはね。
「泪橋交差点で信号を渡るとセブンイレブン世界本店と丹下拳闘クラブがあったであろうというところの間にスカイツリーがバーンって。」
ーー外国人が増えたんだよね。安いドミトリー的なのが増えて危険な街ではなくなってきてるんだよね。
「この世界本店っていう言葉にはずっと前からひっかかってて、歌を作りたいっていうのは何年も前からあったんだよ。」
ーーそんなあたためてたの?
「きっかけは” 空と踊る男 ”が入ってる” Electric Graffiti ”が出来た時に現ちゃんの家に完成したCD持って行ったんよ。その時に奥さんが『面白い写真が出て来た』って見せてくれたのがその時の山谷の撮影の時に撮った写真。なんかその写真のイメージがずっと残ってて、今回この曲が出来てハマったっていう感じかな。」
ーー「世界本店 ドヤから世界へ」って、これに勝るパワーワードはないような気がしますね。
「確かに!(笑)  立ち飲み屋だった世界本店がコンビニになって ”セブンイレブン 世界本店” になっとるんやけど、セブンイレブンってアメリカの企業やろ?世界中のセブンイレブンの本店がここな訳ないじゃん。(笑) いわゆる下北沢店みたいな表記の所に書いてあるからね。そこに世界本店っていう立ち飲み屋があった事を知らない人にとっては全く訳わかんないよね。(笑)」



ーー次は”SAME-OLD SAME-OLD”、待ってましたこれはもうツッコミどころ満載の曲ですね。(笑)
ギターのカウントから始まり、これは格好いいなと思いきやまさかのロックンロール・スウィンドルでございます。
「あ、そう。」
ーーそして思いっきりSex Pistolsリスペクトに大爆笑致しました。そういえば杉本の最初のバンドって「スウィンドル」って言わなかった?
「高校生の時ね。あ、そっかレピッシュの前身のバンドの時も「スウィンドル」って言ってたか?」
ーーうん。
「当時、東京だけでも「スウィンドル」って何十個も居たから。(笑) 多少似たような意味で「レピッシュ」に変えた。」
ーーそうかそうか。
「パッと聞くと典型的初期パンのコードワークっぽいんだけど、実はパンクでは絶対使わないおしゃれなコードを多用している。」
ーーあ~、パンクの人そういうの出来ませんから。(笑)
「まぁ、そういう俺なりの遊びも入ってる。(笑)」
ーーこれは、歌詞も曲も両方笑えるというか、「婆ちゃんがレッチリ着てる」とかもうガーンときちゃうけど、実際に居るよね。
「すげー居る、ニルヴァーナとレッチリには何故か俺はすげ~会う。(笑)」
ーーあははは。
「絶対知らないで着てるんだろうっなって思ってはいるんだけど。最近は洋品店でも売ってるからデザイン気に入って着てるのか、息子が着なくなったのを着てるのかとかって色んな想像をするじゃん。でも段々そういう想像じゃつまんなくなって、この婆ちゃん絶対レッチリことすげ~好きなんだろうなって。」
ーーあはははは。(爆笑)
「前に地元歩いてて、前から”KYOICHI”って書いてある俺のTシャツを着た婆ちゃんと会ったことがある。え、なんで、なんでって!?(笑)」
ーーあははは。すげ~いい話だね~。(笑)
「びっくりして俺「うわぁ~」ってなってるけど、婆ちゃん素通りで俺のことなんかは全然知らない訳。(笑) 」
ーーあ~、はいはい。
「だから常に人が着ているロックのTシャツを見ると色んな想像をしてしまう。(笑)」



ーー次は「DaLaLaLa-Ta-Ta-Ta」ですが、これはどことなく「アンジー」リスペクトを感じられるかなぁ。
「あははは、それは全然ない!!(爆笑) アンジーは大好きでリスペクトしてるけど、この曲ではしてない。(笑)
ーーないの?ないの?シクったぜ。(笑)
「ないない。(笑)」
ーーさらにロクでも無い質問でラッタッタってスクーターありましたよね?(笑)
「そうそうそう。そっちは流石やね。(笑)」
ーーほんと!?
「歌詞の中にダララにラッタッタ”乗せりゃっ”てあるやろ。」
ーーお~~!(笑)。
「そんなつまらない遊びをよくしてるやろ、歌の中で。(笑)」
ーー”父ちゃんカラオケ立ち上がってパヤパヤ言ってるぜ”はお父様でしょうか?
「そうそうそう。これは俺が熊本帰って見た景色やね。(笑) しかも、結局うちの両親はパヤパヤとリックサックしか知らないんよ。(笑) 今でもこの2曲が最高だと思ってるって話をメンバーにしたら、大樹が『もっといい曲いっぱいあるじゃないですか!』って。(笑) 俺も何十年も演っててデビュー前に作った曲が1番って言われたらちょっと微妙じゃん。(笑) 大事な曲よ勿論。
で、『最近のお前の曲は分かりづりゃ~っ、分かりづりゃ~。昔の曲は良かった。曲のタイトルがパヤパヤだったら、歌の中で何回でんパヤパヤ、パヤパヤ言っててリックサックって曲だったら、リックサック、リックサックって言ってて歌が覚えやすい。そぎゃん歌ばまた作れよ!』ってよう言われる。
だけん作ったよお父さん!今回俺は作ったよ!と。ほんでダラララタッタッターって聴かせるわけよ。したら、
『違う!パヤパヤて言うとらんじゃにゃ~や』って。(爆笑)」
ーーがはははは(爆笑) お父さん!



ーー最後の曲「サビイロ」はアコギの弾き語り。現在と過去が錯綜する映画の一場面のような映像が浮かぶ曲で締めるって感じの曲ですね。
「うんうん。」
ーーが、「ちょっとだけ歌詞が違う同じ歌で」ってくだりで思わず吹き出しまして。
「ふふふふ。」
ーーメランコリックなしっとりナンバーで吹いたのは初めてで、そう言う意味で衝撃をもたらしてくれたナンバーでした。
「あはは、良んじゃない。(笑)これまた中込らしすぎる感想やな。
この曲は自分の中での一番古い記憶の景色かな。西日が差して薄暗くなってきている部屋の中で、多分まだ赤子くらいの頃なんよ。」
ーーあ~。
「時代的にベビーベットではないのかもしれないけど、小さなサークルの中のスペースに居て、姉貴と母ちゃんが話してるのを見てたのが一番古い記憶。」
ーーよく覚えてるね、凄いね。
「その景色を何故かずっと覚えてて、どんな記憶がみなさんに取ってびサビイロなのかはわからんけど、まあ俺の中のサビイロの景色っていうのかね。」
ーーなるほど。
「俺らの幼少の時代って家庭用ビデオカメラもなかったしテープレコーダーすら中学くらいに手にしたから、自分の子供の頃の声って知らんやん。」
ーーものに残ってない、自分の記憶にしか残ってない古いものを「サビイロ」って表現したんだね。
「うん。そしてセピアって言葉の響きが何となく嫌いでさ。」
ーーわかる~~~!!!!(笑)
「うむ。」

ーーちなみに中込、このアルバムマジで物凄く気に入っているというか歴代ナンバーワンかもと思っています!誰も彼もに心からオススメっす!!
「ありがとうございます!」






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